クラス授業のための
和楽器を使ったアンサンブ

この曲集では前半に箏を使った導入用のアンサンブル曲を、後半には和太鼓を使ったアンサンブル曲を配し、最後に雅楽の参考楽譜を入れました。箏を使ったアンサンブル曲では、はじめてこの楽器を演奏 する児童・生徒のために、扱いやすい平調子の上行と下降の音階練習を体験させた後,「さくら さくら」の探り弾きが出来た段階で、極めてやさしい箏のパートとアルト・リコーダーのパートとのアンサンブルを楽しみながら、特に箏の演奏に慣れ、無理なく演奏技術が高めていけるように配慮してありまが、学校の設備状況や生徒の実態、配当時間数等を考慮していただいて、ふさわしい曲が選択できるようにしてあります。 叉リ コーダーパートは初歩的な演奏技術で可能な音域に限って編曲していただきましたが、可能ならスラー等のア−ティキュレ−ションを入れて、より音楽的なものにしていただいたいと思います。
 箏を使ったアンサンブル曲の最後に「六段の調べ」の「初段」の部分が入れてありますが、これは伝統音楽をそのままの形で体験させたいという強い願いから入れたものです。技術の積み重ねという点では、いく分困難ではありますが、冒頭の部分でもよろしいので是非挑戦させていただきたいと思います。箏独特の演奏表現を体験して、はじめて日本音楽の良さ深さを理解することが出来ると思います。 尚、箏の奏法については生田流 宮城派師範 川角美都理先生にご指導をいただきました。
 次に音楽教育で扱う和太鼓を使ったアンサンブル曲は、地域の民俗芸能等の音楽を取り上げるのが一般的ですが、特に限られた授業時間で扱うとなると、そのままで扱える曲は数少なく、指導者の手で教材化を図る必要があります。「地域素材を使った和太鼓アンサンブルの事例」はこうした時の参考資料にしていただくもので、太鼓1と2は私の住んでいる地域に伝えられている和太鼓のリズムを使い、中学生以上では30分程度で、表現の質はともかく、一応の形が整うように教材化したものです。それにこの太鼓のリズムに合う笛のメロディーとして、わらべ歌「あんたがたどこさ」を重ねてみました。この例は最も単純 なものですが、この分野では各地に伝わる民俗芸能等の太鼓のリズムや地域に伝わる伝統的なメロディ−を使って、児童・生徒の実態や学校の実情に合った教材を作成することが大切だと思います。
 しかし、地域によっては伝統的な素材が殆ど残されていない所、又は授業時間数の中では扱い切れないものしか残されていないこともあると思います。そこで、この曲集では作曲家中西覚氏にお願いして、日本各地の民謡や氏のオリジナル曲のメロディーを使って、笛と和太鼓のアンサンブル曲を4曲ほど作っていただきました。笛のパートに篠笛を使う場合、2声部の演奏が困難なら、ふたつのパートから主旋律を 選んでメロディーのみを演奏するようにして下さい。
  雅楽「越天楽」は簡易な編曲のものと原曲と両方入れてありますが、中学校の選択授業やクラブ活動、高等学校の選択音楽の授業等で、少しでも原曲に近い形で演奏させたいと願っておれれる先生方の要望に応えて原曲も入れました。最近はABS樹脂等を使った笙、篳篥、龍笛等も販売されていますので、可成りにまで本物の演奏に近付けるようになってきました。しかし、学校の実情によってはそこまでは出来ないが、それでも本物に近づけたいといことならDTM音源に入っている笙や篳篥、それに雅楽に使われる打楽器の音をMIDI鍵盤を使って演奏させるとか、琵琶の音は17弦の音で代用するとかして実情に合った方 法でこの曲の演奏を体験させる方法があります。もうひとつ、笙の音を鍵盤ハーモニカの音で代用する時には一台にひとつの音を出す方法でないと笙らしいよい響きが得られません。
 雅楽「君が代」は明治13年11月3日に林広守作曲で初演された時のものをそのまま資料として入れま した。この曲はその後ドイツ人のフランツ・エッケルトが和声付をし、明治21年に国歌として各条約国 へ通報し、その後明治26年8月12日に学校唱歌として官報に公示されました。
                
 
             曲目
・箏(琴)の調弦と平調子の音階練習
・日本古謡「さくら さくら」箏(琴)のさぐり弾き
・日本古謡・中西 覚編曲「さくら さくら」箏とアルト・リコーダーの2重奏
・日本古謡・中西 覚編曲「さくら さくら」箏1、箏2、アルト・リコーダーの3重奏
・わらべうた・中西 覚編曲「もっこ」箏とアルト・リコーダーとの2重奏
・日本古謡・中西 覚編曲「今様」箏とアルト・リコーダーの2重奏
・日本古謡・中西 覚編曲「今様」箏1、箏2、アルト・リコーダーの3重奏
・八橋検校作曲「六段の調べ」の「初段」
・六段の調べ(初段)の箏の奏法
・六段の調べの篠笛(アルト・リコーダー)パート
・中西覚編曲 雅楽「越天楽」
・地域素材を使った和太鼓アンサンブルの事例
・中西覚編曲 笛と打楽器のための三つの民謡より「ソーラン節」
          〃            「八木節」
          〃            「阿波踊り」
・中西覚作曲「笛と太鼓のための祭り歌」
・参考楽譜 雅楽「越天楽」(近衛直麿編)
・参考楽譜 林 廣守作曲 雅楽「君が代」 

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