写真は中央アルプスの南端にそびえる標高2191mの恵那山ですが、この山の麓に位置する恵那市、中津川市、恵那郡の南部と北部をまとめて、かっては恵那郡と呼び、今でも恵那地方といえば、この地域をさしています。ここで紹介するMIDIによる恵那の歌はこの地方に伝えられてきた わらべ歌、民謡、民俗芸能の音楽の旋律を基にして、小編成のアンサンブルに等に編曲したものです。
 高速インターネット通信の普及によりこのページの音楽を従来のMIDIだけではなく、コンピュータ内臓のソフト音源を使わずに聞けるMP3と実際の演奏の録音(MP3)でも聞けるようにしました。クリックして音楽が再生されるまでに時間がかかるようでしたらMIDIをクリックして聞いてください。
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1)恵那地方民謡 田中吉徳採譜 鶴原勇夫編曲 『ホッチョセ』

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 『ホッチョセ』は初夏の頃に山や谷で鳴く山時鳥(ほととぎす)の鳴き声を短くしたもので、この民謡の中に何回となく出てくる『ホッチョセ』という合の手(かけ声)が曲名になっています。旋律が『小諸馬子歌』の最初の部分とよく似ていることから、小諸から中山道経由で『馬子』とか『ごぜ』といった人たちによって伝えられたこの旋律が中津川に入って短縮され、地域独特の歌詞がつけられて、歌い継がれてきたものと思われます。原曲は歌、三味線、尺八の編成ですが、この演奏ではふたつの尺八とハープの音を使っています。

)恵那地方民謡 田中吉徳採譜 鶴原勇夫編曲 『ホッチョセ』Sop.・AltRecorder、Paino
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 解説は1)を参照。演奏者はソプラノ・リコーダー:成木恭信、アルト・リコーダー:堀 猛司、ピアノ伴奏:渡辺洋子のみなさん。

3)田中吉徳採譜 鶴原勇夫編曲 『恵那の旋律による組曲』
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 この曲は恵那市大井町に伝えられている『恵那太鼓』のリズムや『獅子舞』のメロディー、それに恵那地方のわらべうた『いせいせせ』を組合わせてアンサンブル曲にしたものです。演奏上の楽器編成は獅子舞の部分が和太鼓とフルートと弦楽合奏、わらべうたの部分が弦楽合奏です。

4)中西 覚 編曲 恵那地方のわらべうた 『お ひおろして』
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 この地方で今でもよく知られているお手玉遊びの時に歌うわらべ歌を中西覚氏が現代的なアンサンブル曲に編曲したもので、楽器編成はフルート、チェロ、ピアノの3重奏ですが、 MP3の音楽はコンピュータ音楽ではなく、フルート、チェロ、ピアノの3重奏を録音したものです。奏者は7)参照


5)中西 覚 編曲 恵那地方のわらべうた「お月様えらいな」
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 この曲は中津川市の苗木小学校で子どもたちが歌っていた童歌のメロディーを中西 覚氏にリコーダーと琴の2重奏に編曲していただいたものですが、今では児童・生徒の筝(琴)の導入用の、ソプノ・リコーダーとのアンサンブル曲として使われています。
                       
                       《お月様えらいな 》
      1.お月様えらいな お日様の兄弟で 三日月になったり まん丸になったり
        春夏秋冬 日本中を照らす。
      2.お月様えらいな お日様の兄弟で 
三日月になったり まん丸になったり
        春夏秋冬 世界中を照らす。

  この曲の原曲を聞いてください→(クリック) 歌:林伶音さん (平成元年 中津川市坂本小学校1年生の時の録音)

註)最近なって、このわらべ歌の歌詞は、明治33年発行の幼年唱歌「おつきさま」として石原和三郎が作詞したものを部分的に変えて使ってきたものということが分かりましたが、メロディーは伝統的なものだと考えられます。


6) 田中吉徳採譜 中西覚編曲 『苗木城の煤払い歌』 
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 解説は7)を参照 。演奏者はソプラノ:遠藤典子、ピアノ伴奏:川北祥子の皆さんです。

7) 田中吉徳採譜 中西覚編曲 『苗木城の煤払い歌』
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 信長の力を借りて権力を維持してきた苗木藩(現中津川市内)は、信長が明智光秀に討たれると間もなく、秀吉から彼の輩下にあった兼山城主森長可に随身するように進められますが、これを断わったために、天正12年5月に長可の攻撃を受けて落城、城主遠山友忠、息子友政は夜陰に乗じて瀬戸の渡しを逃げ切り、坂下経由で遠江国浜松に逃れ、ここで家康輩下の菅沼小大膳に属しましたが、その2年後の慶長5年の石田三成の家康追討にあたり、家康は亡き友忠に代わって息子友政を召し出して、美濃と木曽路の案内役を努めさせました。この時友政は家康の力を借りて18年ぶりに苗木城を奪還し、再入城を果たしましたが、落城で逃げ延びる時も、再入城の時も渡し場(木曽川)がある瀬戸地区の人たちの多大な助けがあったと伝えられています。この歌は一般には入城が許されない城中へ、城主遠山友政が瀬戸の村人を『すすはらい』の名目で迎え入れて、歓待した時のことを歌ったものですが、歌詞が、いつの間にか長寿を祝う祝い歌に変わってきたように思われます。中津川市苗木の瀬戸地区に住んでおられた、明治13年生まれの長井亀七さんが歌っておられた録音が、苗木公民館に保存されていましたので、この歌を採譜させていただき、中西 覚氏に編曲してもらったのがこの曲です。今では、地元中津川市でも、この曲の旋律を知っている人は殆どないといっても差し支えないほどです。楽器編成は3)と同じです。
 ここでのMP3の音楽はコンピュータ音楽ではなく、私の長女が東京藝術大学音楽学部大学院に在学中に、友人の方の協力で音取りをしてもたらった時の録音で、ソプラノ:遠藤典子、フルート田中典子、チェロ:斉藤千尋、 ピアノ: 川北祥子の皆さんです。

8) 中西覚編曲 恵那地方民謡 『ホッチョセ』
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 この曲については前述1)の通りですが、楽器編成や編曲法によって、大きく異なる曲趣を味わっていただければ幸いです。MP3の音はフルート:田中典子、チェロ:斉藤千尋、 ピアノ: 川北祥子の皆さんです。

9)岐阜県の民謡より 岐阜地方民謡 鶴原勇夫編曲 『おばば』
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〈編(作)曲者の紹介等〉


 鶴原勇夫氏は愛知県のご出身で、現在は東京の尚美学園短期大学で教鞭をとりながら作曲に音楽関係著作にと多方面で活躍しておられる方です。ここで紹介しましたアンサンブル曲は、すべて東京芸大の作曲家を卒業されて間もない頃、教育関係の編曲をしておられた時期のものですが、中学生が授業の中で演奏するという制約の中で編曲していただいた作品ばかりですので、先生の力量を十分に発揮できていないような気がして、紹介するのが申し訳ない気もしますが、昔のものでも、だれもが親しみを持って聞ける、先生独特のアンサンブル曲の良さ深さを、ここで一般の方々にも知っていただくことを考えた次第です。尚、最近の鶴原先生の作曲や編曲作品等をお知りになりたい方は、『つるちゃんのホームページ』をごらん下さい。

  中西 覚氏は小山清茂門下で関西地区を代表する作曲家であり、その作品も管弦楽曲、室内楽曲、合唱曲、オペラ、レクエム等、殆どのジャンルの作品が残されています。又、氏は中学校の教職経験を持っておられたことから、教育的な配慮を踏まえたリコーダー関係のアンサンブル曲をたくさん編曲していただいており、西洋音楽の作曲技法を用いながらも、日本的なアンサンブル曲に仕上げていただき、すでに教育現場でも高い評価があります。ここで紹介した中西 覚氏の編(作)曲によるアンサンブル曲は、地域文化の継承と発展を目ざす貴重な作品だとわれます。

 


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